■【弘】

〈音〉コウ、グ
〈訓〉ひろい、おおきい

人名読み:お、ひろ、ひろし、ひろむ、みつ

〈分類〉
人名用漢字

〈部首〉
ゆみへん(弓)2画(総画数5画)

〈構成〉
弓+ム 

〈解字〉
会意形声。弓+ム(こう/肱・ひじ)→ひじを広げて弓を曲げて弦を引き絞る。
または象形。握る部分にひもを巻き付けて、強く引き絞れる弓。
借りて「ひろい」の意味。


〈意味〉
(1) ひろい。大きい。
用例:弘遠(こうえん)、弘毅(こうき)、弘済(こうさい)、
   弘大(こうだい)、弘量(こうりょう)

(2) ひろまる。ひろめる。ひろがる。拡充する。
用例:弘教(ぐきょう)、弘誓(ぐぜい)、弘布(ぐぶ)、
   弘法(ぐぶ/こうぼう)、弘文(こうぶん)

〈注記〉
1951年「人名用漢字別表」により、人名用漢字として使えるようになる。

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《人名への使われ方》
人名では「ひろ(し)」「こう」が普及した読み方。
男子にも女子にもよく使われる漢字。

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《用例》
弘毅(こうき)/心が広く意志が固い。

弘済(こうさい)/広く世の人々を救う。

弘文(こうぶん)/学問を広める。

弘法(ぐほう)/仏法を世にひろめること。

弘法(こうぼう)/弘法大師(こうぼうだいし)の略称。真言宗の開祖・空海の諡号(しごう)。

                     ×  ×  ×  ×  ×

 「弘」は弦を外した「弓」本体をかたどり、
 弘にテグス(天蚕=虫)の強い弦を張ると、弘+虫→「強」になります。

                     ×  ×  ×  ×  ×

 弘文で連想するのが歴史の教科書などで知られる出版社「吉川弘文館(よしかわこうぶんかん)」。
 1857年(安政4年)に始まり、江戸時代は書物の仲買や貸本屋を営んでいました。
 明治になって出版業に進出し、宮内省御用書肆となったそうです。
 思った以上に歴史のある出版社です。

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